まもなく、2026年の「Gems of Yunnan」が開催されます。雲南のCOEパイロット大会として行われるこの品評会では、どんなコーヒーが評価されているのでしょうか。開催を前に、大会の仕組みと、初開催となった2025年の上位入賞ロットをご紹介します。
2025年、雲南では「Gems of Yunnan(云南瑰宝)」が初めて開催されました。COEのパイロット大会、つまり試験的な導入大会として行われ、7つの主要産地から144のコーヒーが集まりました。雲南の生産者が手がけたコーヒーを、国際的な審査と取引につなげる取り組みです。
COEは、何を評価する大会なのか
COEは「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の略。生産国ごとに優れたコーヒーを選び、国際オークションを通じて世界の買い手につなぐ品評会です。
評価の対象になるのは、農園が出品した特定のロットです。同じ農園でも、収穫時期や品種、精製処理が違えば別のコーヒーとして考えます。「受賞農園の豆」と「実際に受賞したロット」は、区別して見ると分かりやすくなります。
こうした仕組みには、品質に見合った価格での取引を促し、生産者の仕事を買い手に伝える役割もあります。
2025年の上位3ロット
2025年の結果で面白いのは、上位3ロットの品種がすべて異なることです。
| 順位 | 農園・生産者組織 | 品種 | 精製処理 | 得点 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 秋珀庄園(Autumn Amber Estate) | バティアン/Batian | ウォッシュド | 89.96 |
| 2位 | 松風コーヒー生産者協同組合(Songfeng) | ゲイシャ/Geisha | ウォッシュド | 89.21 |
| 3位 | Maliping村・Lanni Tang生産者グループ | カティモール/Catimor | ハニー | 89.08 |
※農園・組織名は読みやすい表記に整理しています。順位・品種・精製処理・得点はACEの2025年公式結果に基づきます。
1位・秋珀庄園のバティアン
優勝した秋珀庄園は、臨滄市の滄源ワ族自治県にある農園です。複数の品種を導入し、現地の環境に合う栽培を試みています。
この農園のコーヒーを、弊社でも取り扱っています。
MOUNTAIN MOVER は秋珀農園から継続して買い付けを行っており、LINCANG-QIUPO として浅煎りでご用意しています。ただしこれは入賞ロットそのものではなく、同じ農園の別ロットです。品種も精製処理も異なりますので、「受賞したコーヒー」としてではなく、「受賞する実力のある農園のコーヒー」としてお楽しみいただければと思います。
受賞したバティアンは、もともとケニアで開発され、2010年に発表された品種です。病気への強さと収量、カップ品質を兼ね備えることを目指して育成されました。日本ではまだ名前を聞く機会が少ないかもしれませんが、雲南での品種選びの広がりを感じさせる存在です。
2位・松風のゲイシャ
2位は松風コーヒー生産者協同組合のゲイシャ。ゲイシャと聞くと、パナマのコーヒーを思い浮かべる方も多いと思います。花のような香りで知られる品種ですが、栽培される土地はパナマだけではありません。
今回の受賞ロットは標高1,650mで栽培されたウォッシュドです。雲南でもゲイシャが育てられ、国際審査で上位に評価された一例になりました。
3位・Lanni Tangのカティモール
3位は、公式結果にMaliping村のLanni Tang生産者グループとして記載されている、Xuelong Yuan氏のロットです。品種はカティモール、精製処理はハニーでした。
カティモールは雲南で広く栽培されてきた品種です。今回、新たに導入された品種と並んで上位に入ったことは、従来の品種にも目を向けるきっかけになります。品種名だけで味わいの上限を決めず、一つひとつのロットを見ることが大切だと、弊社は考えています。
「雲南産」から、農園とロットへ
バティアン、ゲイシャ、カティモール。2025年の上位3ロットを見るだけでも、雲南コーヒーを一つの味で説明することの難しさが分かります。
大会の順位は、その年に出品されたロットの評価です。産地全体の優劣や、自分の好みがそのまま決まるものではありません。それでも、これまで知らなかった農園や品種を知る入口にはなります。
次に雲南のコーヒーを選ぶときは、産地名に加えて、農園・品種・精製処理にも目を向けてみてください。同じ雲南でも違いがある。その違いを飲んで確かめることが、この産地を知る一番身近な方法です。
優勝した秋珀農園のコーヒーは LINCANG-QIUPO(浅煎り・100gから)でお試しいただけます。弊社の生豆はGREEN BEANSで、農園・品種・精製処理を明記して300gサンプルからお分けしています。
産地ごとの位置関係は公式サイトの産地地図、雲南コーヒーの背景は雲南コーヒーとはで解説しています。
