業務用コーヒー豆の選び方。味が毎回変わる本当の理由と、5つの選定基準

企業の応接室、ホテルのラウンジ、ショールーム、オフィスの休憩スペース。こういった場所で提供されるコーヒーは、その空間の主役ではありません。しかし、味が毎回変わる、日によって薄い、苦すぎるといったばらつきは、不思議と空間全体の印象に残ります。

「コーヒーの味が安定しない」という相談を受けるとき、原因はマシンやスタッフの技術だと思われていることが多いのですが、実際にはその手前、仕入れの構造に原因があるケースがほとんどです。

味が毎回変わる本当の理由

一般的な業務用サプライヤーの多くは、その時点で手持ちにある在庫からブレンドを組みます。このやり方は柔軟ですが、在庫が入れ替われば配合も変わります。同じ商品名でも、半年前と今では中身の生豆が違う、ということが起こります。

さらに、市場から調達している以上、その年の作柄や相場の影響を直接受けます。欲しいロットが確保できなければ、代替の生豆で埋めることになります。欠品リスクと味のぶれは、実は同じ原因から来ています。

つまり、安定した品質のコーヒーを継続して仕入れたいのであれば、見るべきは「今の味」ではなく「その味を何度でも再現できる仕組みがあるか」です。

業務用コーヒー豆を選ぶときの5つの基準

1. 供給の設計があるか

最も重要なのがここです。そのサプライヤーは、年間どれだけの量を、どの産地から、どうやって確保しているのか。買付の段階で年間量を設計しているのか、その都度市場から集めているのか。ここを質問するだけで、継続供給の安定性はかなり見えてきます。

自社農園や契約農園を持っているか、産地と直接取引しているかといった点も、同じ質問の別の側面です。

2. 焙煎プロファイルが固定されているか

ラインナップが極端に多いロースターは、一見選べる楽しみがあるように見えて、焙煎の基準が商品ごとにバラついていることがあります。業務用で大事なのは選択肢の多さではなく、採用した1種類がいつでも同じであることです。

焙煎機の方式も確認してください。完全熱風式の焙煎機は熱の循環が均一で、バッチごとのぶれが出にくいという特徴があります。弊社が Loring を使っているのもこの理由からです。

3. 提供シーンに合っているか

同じ豆でも、ハンドドリップで提供するのか、エスプレッソマシンで抽出するのか、ミルクと合わせるのかで適した設計は違います。ラテやカフェラテが主力なら、ミルクに負けないボディを持った中深煎りから深煎り。ブラック中心で、食事と一緒に出すなら、クセの少ないバランス型。

提案を受けるときに、「どんな場面で何杯出すのか」を先に聞いてくる相手かどうかは、ひとつの判断材料になります。

4. オペレーションに耐えるか

業務用で見落とされがちなのがこの視点です。抽出の経験を積んだスタッフがいるとは限りませんし、シフトによって担当が変わるのが普通です。抽出方法の差が味に直結しやすい豆を選んでしまうと、結果として「日によって味が違う」状態になります。

多少の抽出のぶれで輪郭が崩れない設計かどうかは、サンプルを実機で、実際のスタッフに淹れてもらって確かめるのが確実です。

5. 価格が段階的に設計されているか

月の使用量は季節や稼働状況で変動します。一律価格だと、量が伸びてもコストは下がりません。逆に、最初から大量前提の価格だけを提示されると、導入時のハードルが高くなります。

月量に応じて段階的に単価が下がる設計であれば、小さく始めて実績に合わせて増やしていけます。

用途別の考え方

ホテル・ショールーム・オフィス

提供量が多く、淹れる人が固定されない環境です。酸味と苦味のバランスが取れた中深煎りをベースに、オートマシンでも安定する設計を選ぶのが定石です。

カフェ・エスプレッソバー

ミルクビバレッジが中心なら、クレマの出方とミルクとの融合を優先した深煎り。シングルでの提供やシーズナルメニューをやるなら、浅煎りの希少ロットをサブで持つと幅が出ます。

レストラン・ベーカリー

料理やデザートの後に出る一杯です。後味が重すぎないこと、甘いものと合わせて味が崩れないことを基準に選びます。

導入前に必ずやっておきたいこと

カタログやフレーバーの説明だけで決めないことです。必ずサンプルを取り寄せ、できれば実際に使うマシンで、実際のスタッフが淹れてみてください。ミルクを使うなら、普段使っている牛乳で合わせること。この一手間で、導入後の「思っていたのと違う」はほぼ防げます。

MOUNTAIN MOVER の場合

弊社は中国雲南産スペシャルティコーヒーを専門とし、2020年に東京で創業しました。毎年の生産期に産地へ赴き、ダイレクトトレードで生豆を買い付けています。

特徴は、先に商品ラインの配合を決めてから、その構成に必要な生豆を産地でカスタム精製・選定していることです。在庫からブレンドを作るのではなく、作りたいブレンドから逆算して買い付ける。商品ラインを4種類に絞っているのも、品質管理のリソースを集中させるためです。

焙煎豆のラインナップはROASTED COFFEE、焙煎についての考え方はこちらのページにまとめています。自店で焙煎されているロースター様には、生豆の卸売も行っています。

初回は全4種類のサンプルを無料でお送りしています。用途や月の使用量をお聞かせいただければ、適したプログラムをご提案しますので、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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